2012年6月25日月曜日

研修医カンファレンス2012.6.19

◆6月の実習
 4日(月)と18日(月)の2回に渡って、「人工呼吸器Basicコース」を行いました。第1回は、呼吸生理の基礎的事項を確認しました。第2回は、各換気モードの特徴を学び、ベンチレーターのセットアップを体験しました。bestな条件設定ではないにしても、とにかく自分でベンチレーターをセットアップし、患者さんに装着できるというのが今回のゴールです。ありがちなトラブルとその対処も確認しました。
 埼玉協同病院1年目研修医は、ベンチレーターが搬入されてから3-5分以内に、セットアップを完了することが出来るようになりました。
 お忙しい中、インストラクターとしてご協力くださった、小野寺看護副部長、ME室の吉川さん、ありがとうございました。コメディカルスタッフの絶大なご協力のもと、研修は進んでいきます。

◆6.19のケースカンファレンス
症例1:68歳の男性、症例2:17歳の女性、症例3:38歳の女性は、いずれも"bleeding tendency"を示している。
その原因は何か、可能性が高い疾患は?診断のために何が必要か?を考えよう

◆7月の実習「Gram染色」に向けて
 染色所見から、菌種を推定する。
  →……のように見える菌は、○○菌の可能性が高い。
 よりも、
 検体別に、臨床的意義が高い菌の染色所見を確認する。
  →(例えば)喀痰のGram染色で、……のような菌が見えたら、○○菌の
   可能性が高い。
 という理解の方が、実際には役に立つ。

◆研修医へのプレゼント
  止血機構
  日本血液学会編 血液専門医テキスト 南江堂 p.19-23
 グラム染色ーポイントとピットフォール
  感染と抗菌薬 Vol.15 p.22-27
 グラム染色
  感染症ケースファイル 医学書院 p.8-15
(センター長 村上)

◆研修医の感想
・人工呼吸器は、大学ではモードの切り替えは学びましたが、最初から電源が入った状態でした。今回は電源を入れるところから教えてもらいました。すごいわかりにくいところにあるんですよ。人工呼吸器つけてみました。とても良かったです。ずっとつけていたかったです。

・ケースカンファレンスは3例とも同じ出血傾向であるとはいえ、違う機序のものであり、その原因を紐解くのは、とても面白かったです。

・来週はGram染色です。やったことがないので、楽しみです。

(研修医K)

2012年6月22日金曜日

シミュレーター展示会 for Ns

SKYMETの看護部門責任者です。

先日、うちにあるシミュレーターの展示会を行いました。

せっかく買っても使わないんじゃぁもったいない。という訳で、教育担当の看護師向けに行いました。

これは腕自慢。(医学生も使ってましたね)
実際に使ってみました~
医師も飛び入り~挿管してみました!
副院長(左)もやってきて
「うちこんなにあるの?」
「器具そろってますよねぇ。」
研修医はだいぶ使ってくれるようになりましたが、(様子はこちら↓)
http://kyodoresident.blogspot.jp/2012_06_01_archive.html#1235581844191972003


院内でもまだまだ普及していません・・・。宣伝しなきゃ。

2012年6月20日水曜日

研修医カンファレンス2012.6.12

<2012.6.12>
 当院の初期研修医は、「レジデントカンファレンス」という自主学習会を行ってています。自分達でテーマを決めて勉強してきたものをディスカッションしたり、上級医にゲストスピーカーをお願いしたり。
あと、とても重要なのが、場所を変えて実施される「意思疎通の強化」 

◆ケースカンファレンス
Case:77歳の男性
主訴:頸の痛みと微熱感
    ○月○日の未明から症状が出現したので、整形外科を受診した。
検査データ:
WBC  10290(Ne 86%, Lym 8%)
RBC  437万
Hb   13.8g/dL
Ht   40.8%
PLT  0.60万
CRP  1.41mg/dL
……その他の検査はとくに大きな問題なし

内科にこの患者さんが受診していたら、多分、痛み止めと湿布くらいで帰してしまい、血液検査もしなかったよね……う~、怖い!!という結末の症例。first touchの整形外科医Y先生に、研修医一同、感動でした。

◆研修医へのプレゼント
 ★急性・重症度の判別ー重症度で初期治療はどう違ってくるのか
  感染と抗菌薬 Vol.15 P.15-21

 ★朝日新聞 2010.6.8 スーパー耐性菌の脅威
(センター長 村上)

◆研修医の感想
 今回のケースは、患者さんの訴えを整形外科の医師がしっかりと聞き、単なる首の痛みから感染症を導きだした、とても勉強になるものでした。基本のバイタルチェックサインに気をつけること。オーダーはなんでもかんでも出さないように気をつけないと。。。

 当院の抗生剤の使い方について、「マイツール」(院内電子カルテで職員は誰もが見れる掲示板のようなもの)で感受性全体がわかるようになっていることを教えて頂きました。とても便利だと思いました。 研修医I)
研修医Iさんの地元のお菓子です

2012年6月15日金曜日

看護師向け文献検索

看護部では2012年度は年間4回の教育担当者研修を計画しています。
その第1回目として、SKYMETの井上さんに文献検索のレクチャーをお願いしました。

文献検索のポイントは「情報の信頼性が重要ですよ!」


実習は、グループ毎に、
「震災時の心のケア」に関する7つの情報を信頼性のある順に並べてみました。

目から鱗の内容で、
参加者は「後輩にも正しい文献検索の方法を伝達していきたいと思う」という感想が聞かれました。

2012年6月14日木曜日

研修医カンファレンス2012.6.5

 総合内科病棟での研修も3ヵ月目に入りました。研修医一人一人の個性が徐々に明確になってきています。総じて順調なスタートを切ることができたようです。担当医としての責任も大きく重くなってきました。 

◆症例検討
Case:59歳の女性
主訴:発熱と食欲不振
   ○○○で内科に通院中。この数日間、発熱が続き、食事が摂れない状態である。

検査データ:
WBC  3000(Ne 67%, Eo 1%,  Ba 1%, Mo 11%, Lym 20%)
RBC  356万
Hb   11.7g/dL
Ht   34.4%
PLT  9.7万
AST  57U/L
ALT  31U/L
LD   349U/L
ALP  140U/L
CRP  1.41mg/dL
フェリチン 1172ng/dL
CH50 15.5U/dL
C3   20mg/dL
C4    8mg/dL
……その他の検査は省略

Q1:可能性が高いと思われれる疾患・病態を(できれば可能性が高いと思われる順に)挙げてみよう!
Q2:Q1で挙げた疾患・病態を鑑別するために必要な検査は?

◆研修医へのプレゼント
 「もう膠原病は怖くない!」週刊医学界新聞第2952号
 ステロイドのよくある副作用
 レジデントノート Vol.11 p.1123-1126,1130-1133

◆研修医の感想
ちょうど、フェリチンが高い患者さんを受け持っていたので、とても勉強になりました。
ステロイドの副作用のプリントもあったので、参考になりました。
患者さんに副作用の説明をするときに役にたちました。

研修医A

2012年6月6日水曜日

研修医のための実習とカンファレンス 2012.5.22

原則として、第1・第3月曜日には、「実習」を行います。
そして、毎週火曜日は、研修医カンファレンスです。
◆5/21(月)は、実習「末梢血塗抹標本作成」を行いました。
研修医同士で、採血 採血管の確認。各抗凝固薬の特性、検体保存上の注意などを確認
 ↓
自動血球計数器、生化学検査汎用機による分析の原理と実際
※明らかな異常値を示した研修医はいませんでした。良かった、良かった。
 ↓
末梢血塗抹標本作成

◆5/22(火)のカンファレンスです。
<Part 1> -------------------------------------------
Case:17歳の男性
主訴:黄疸
   2-3日前から発熱、軽い頭痛があり、近医で”風邪”といわれている。

検査データ:
WBC   6000
RBC   378万
Hb    11.8g/dL
Ht    32.4%
MCV   85.7fL
MCH   31.3pg
MCHC  36.5g/dL(%)
PLT   18.5万
AST   23U/L
ALT   10U/L
T.bil 7.3mg/dL
D.bil 0.6mg/dL
CRP   3.4mg/dL
……その他の検査は省略

Q:可能性が高いと思われれる疾患・病態を(できれば可能性が高いと思われる順に)挙げてみよう!

<Part2>-------------------------------------------
昨日作成した、自分の末梢血塗抹標本を、供覧顕微鏡で鏡検した。
好中球(桿状球、分葉球)
リンパ球
単球
好酸球
好塩基球
を、しっかり鑑別し、自分でカウントできるようになりました。

◆研修医へのプレゼント
臨床検査のガイドライン JSLM 2009 貧血

<2012.5.22> 村上センター長

◆研修医の感想
自分で、自分の末梢血塗抹標本を作りました。学生の時にもやったことはありますが、均等にならすのが、難しかったです。慣れが必要だと思いました。(
自分の血は濃かったです。)
17歳の症例は、赤血球が通常楕円であるのに、先天的にまん丸になっている病気で、Hbの値が貧血で、この後どんどん悪化したことと、黄疸であることがポイントでした。
「日常診療でよくみる貧血」は、鑑別診断のつけ方が勉強になりました。
研修医K