2013年12月3日火曜日

感染対策学習会シリーズ

10月と11月に感染対策学習会を感染対策委員会とSKYMETが共催で行いました。

その2回の学習会の報告です。(by感染対策委員会 吉田看護師)


1. 10月24日 「~the消毒~ 手指消毒」
講師:城西国際大学 看護学部 鈴木 明子先生


医療従事者としての手指衛生は、専門職としての『知識』と『技術』が必要 
日本人における「手洗い」とは、「生活習慣」「清潔観念」など、様々な意味合いがあります。そして、私たち医療従事者は、専門職としての「手洗い」を実践しなければならないことを、WHOの手指衛生の5つのタイミングを交え、わかりやすく説明して頂きました。


手指は【器具】である 
「患者に触れる器具は滅菌や消毒をしてから使用します。と同時に患者に触れる前後の手指は消毒しなければならない。」鈴木先生のインパクトあるこの一言に「ハッ」とした人が沢山いました。患者に触れる器具は清潔にしているのに、患者に触れる手指はどうなのか?今、自分の手が「清潔なのか、不潔なのか」を判断する感覚を身に付けること、その境界としての標準予防策があることがわかりました。


第一回 手指消毒AWARD 
講演会後、当院の擦式アルコール製剤の使用量調査の結果を報告し、先生にご講評頂きました。その結果を元に、金賞・銀賞の表彰を行いました。講師の鈴木先生からは、各賞の副賞と当日一番参加が多かった病棟に千葉からのお土産を頂きました。
金賞!C4病棟


銀賞!D2病棟
他の病棟からは「来年こそは、うちの病棟で!」という声が早速上がっています。



2. 11月27日 「医療器材関連感染」
講師:東京女子医科大学 感染症科の平井 由児先生



76名の参加があり、以下のような内容で盛況に開催することができました。


    「医療」という「サーヴィス」

病院は、医療という「サーヴィス」を提供する場所であり、質の高いプレゼンテーションを行っていく必要がある。手指衛生を遵守することは「医療の質」を高めることにつながり、プレゼンテーションになる。というお話から講演が始まりました。
手指衛生を怠った医療行為は、「一度も手を洗っていない汚い手で握られた鮨を食べ続けるようなもの…」と「医療」を「食事」というサーヴィスに置き換えて例えられたお話では、会場内に笑い声がもれました。この場では笑ってしまいましたが、実際にそんな鮨を出されたら誰もが怒り出し、絶対食べません!もしもこれが医療現場で発生すると、患者さんの生命を脅かしたり、それを未然に防ぐことができても訴訟問題になりかねないことを学びました。

アナライザーで質問に答えました



u  手指衛生と手指衛生の5つのタイミング

「手指衛生」と「手指衛生の5つのタイミング」について、アナライザーを使用し質問に答えるなど、クイズのように楽しみながら学習することができました。参加者の解答結果がグラフで確認でき、現状を知ることもできました。病原微生物を「患者にくっつけているのは私たち」ということを常に意識して、適切なタイミングに手指衛生を実施していかなければならないことをまなびました。
  

u  医療器材関連感染とは

『医療関連感染とは、その病院で医療行為を受けなければ「こんな事にはならなかった」感染症です』このインパクトのある言葉を講演会のポスターで見て、興味を持ち、講演会に参加された方も多かった様です。

使用されている医療器材は、医療器材関連感染の原因になることを理解し、適応を考えた上使用しなければならない。そして、使用されているカテーテルやドレーンなどが「現在の患者にとって本当に必要なのか?」を日々検討し、感染のリスクが常にある事を念頭に適切な管理を実施していかなければならないことを学びました。