2012年5月22日火曜日

研修医カンファレンス2012.5.15

2012.5.15
 病棟業務に追われる中で、"off the job"の学習時間が確保されているのは、「研修の質」を保障するために、とても重要なことです。 

 さあ、脳細胞を働かせよう!

◆Case:発熱が持続する17歳の女性
主訴:発熱
3週間くらい微熱が続いていたが、2-3日前から時々38℃以上の高熱が出る。
上気道症状なし。

18日後に再受診した際に追加された訴え:
鉛筆を握ることができない。頬が火照る。

検査データ:
WBC  4600(Stab 21.0%, Seg 55.0%, Eo 1.0%,  Mo 3.0%, Lym 20.0%)
RBC  454万
Hb   11.9g/dL
Ht   39.6%
MCV  87fL
MCH  26.2pg
MCHC 30.1g/dL(%)
PLT  13.0万
AST  26U/L
ALT  12U/L
LD   262U/L(基準:120-245)
ALP  187U/L(基準:104-338)
CRP  0.6mg/dL
……その他の検査は省略

Q1:可能性が高いと思われれる疾患・病態を(できれば可能性が高いと思われる順に)挙げてみよう!
Q2:Q1で挙げた疾患・病態を鑑別するために必要な検査は?


◆研修医へのプレゼント
リウマチ、膠原病の検査診断のポイント 日本医事新報 No.4432
抗核抗体の染色型と主な関連検査および疾患
 必要な検査を落とさないために&無駄な検査をしないために

◆おまけ
なぜ、抗リン脂質症候群ではAPTTが延長するのか?

◆参加した医学生さんの感想
実習期間、このカンファレンスに2回参加しました。
2回ともいえることですが、
大学で行っているチュートリアルと同じやり方でしたが、大学とは違って鑑別を多くあげればよい、という訳ではありませんでした。
ここでは、1症例に対して鑑別を5つ上げることが課題で、たくさんあげればいい訳ではないよなぁと前から思っていたところだったので、現実に即していて、勉強になりました。
研修医に求められるのは、広範囲にたくさん鑑別をあげるというよりは、頻度の高いものに絞り込むことの方が必要だと感じました。