2012年8月30日木曜日

研修医カンファレンス2012.8.15

朝晩は少し涼しい風が吹くようになりましたが、日中はまだまだ暑い!!
総合内科病棟での4ヵ月間の研修を終え、8月から、1年目研修医は4つの内科病棟に分かれて所属することになりました。これまでは、「同僚」がいて、時には「学生気分が抜けていない!!」と注意されることもありましたが、これからは、”病棟の医師は指導医ばかり…”という状況で研修を継続します。
暑さと緊張と疲労で、多少体調を崩す研修医も出ましたが、何はともあれ健康な身体が基本です。自分の体調管理がしっかり出来るようになりましょう。

◆2012.8.15
輸血前検査ーその1-
 ABO血液型とRh(D)型

血液型判定と交差適合試験は、「初期研修医が一人で実施できるようになる」というランクに位置づけられる研修獲得目標の一つです。
埼玉協同病院の1年目研修医は、必ず、一人で出来るようになるまで実技実習を
します。

ちなみに…
埼玉県で、日本輸血・細胞治療学会認定施設になっているのは、
埼玉医科大学病院
埼玉医科大学 総合医療センター
防衛医科大学校病院
埼玉医科大学国際医療センター

埼玉協同病院 だけなんですよ~

学会ホームページ→
http://www.jstmct.or.jp/jstmct/CertDR/Organization.aspx

さて、例えば……
オモテ試験 抗A血清 凝集(+)
          抗B血清 凝集(-)
ウラ試験  A型血球 凝集(-)
          B型血球 凝集(+)    だったら A型ですよね。

では、
オモテ試験 抗A血清 凝集(+)
          抗B血清 凝集(-)
ウラ試験  A型血球 凝集(-)
          B型血球 凝集(-)    だったら 判定は?なぜ?

…ということで、基礎知識を仕入れ、20日(月)は実習です。

☆研修医へは
 自主制作プリントを渡しました。

医学部をめざす学生のための医師体験

もう8月も終わりですね。
終了した夏の企画のお知らせです。


埼玉協同病院では、毎年春と夏に高校生向けに医師体験を行っています。

この日は、外科の医師が、高校生に縫合の仕方をレクチャーしました。

エコーを使って、刺しています。
医学生さんもいたので、急遽エコーを持ってきて、人口皮膚を使って針を刺している様子です。
中のものを吸いだしています。


実際に、研修医が練習用に使っている道具を使って、縫合しています。

医学生さんも暖かく見守っています。
教えてくれる場面も。
こんな感じに仕上がりました。
それぞれ個性的です

こちらは、胃カメラのシミュレーターを使って体験中!


医師体験では、体験以外に、初期研修医や医学生との懇談を通じて、医学部への受験の仕方やリアルな研修の様子や医学生生活をお伝えし、医師になるイメージを持ってもらっています。

今年2012年は、高校生向けの医師体験をスタートして、20年という記念すべき年です。これまでたくさんの高校生を向かい入れ、医学部への合格を応援してきました。
現在、その医師体験をした医師が11名、埼玉協同病院で働き続けています。


来年からは、高校生だけでなく、中学生のうちに医療の仕事に関心を持ってもらえるような、企画をSKYMETでも話しになっています。
今年は、お試しで、SKYMETメンバーのお子さん(中学1年生)に、血液を供覧顕微鏡を使って見て、血液についてセンター長がわかりやすくレクチャーを行いました。

白血球は5種類あること、何故真ん中が凹んでいるかなど、
わかりやすく説明。
理科の研究でまとめ上げたそうです。

2012年8月21日火曜日

医学生の実習と研修医カンファレンス2012.8.7

8月に入り、埼玉協同病院は、実習や見学希望の学生さんで賑わっています。
この時期、6年生は「マッチング」を見据えた入職試験を受けていますので、実習・見学は5年生が主体になります。
埼玉協同病院では、学生さん一人一人のご希望に応じて実習プログラムを作成し、受け入れています。
・1週間、小児科でチームの一員として、地域の急性期病院で、大学病院では経験できない急性期疾患をたくさん経験したい
・4月からの初期研修を行う総合内科病棟で、「日々の実際」をみてみたい
・地域の急性期基幹病院のERを体験したい
・当直業務を体験したい
・これから外科のbed side learningに入るので、その前に外科で実習して基本的な技術を習得したい
……などなど。

「自分はこういう実習をしたい!」という目的が明確な学生さんほど、実習の満足度が高いように感じます。もちろん、4年生以下の学生さんも、レベルに応じた実習プログラムをご用意致します。
机の上では決して習得することの出来ない「現場力」を、埼玉協同病院の実習でモノにしてみてはいかがでしょうか。SKYMETで検索!!


今回の研修医カンファレンスには、4年生の学生さんが参加しました。
◆意外と怖い「深頸部感染症」
 たかが虫歯と侮るなかれ。あなたは深頸部の解剖学的特徴を理解していますか?
 奥歯の歯根部膿瘍が縦隔炎、椎体炎(尾骨部まで、可能性あり)を引き起こすこともあるのです。そんな危険を早期に把握するために、非常に重要な臨床症状があります。○○○○です。

◆研修医・学生さんへのプレゼント
・深頸部感染症のマネジメント
 市中感染症診療の考え方と進め方 医学書院より一部抜粋
・抗菌薬のDe-escalation
  感染と抗菌薬 vol.15 No.1 (2012)より一部抜粋
・感染症ケースファイル 医学書院
 Case 32 神経症状のある発熱患者

◆研修医の感想
 De-escalationについて学びました。今気をつけている事なので、とても勉強になりました。研修医F

2012年8月1日水曜日

研修医カンファレンス◆7月

研修医カンファレンスの様子は、久しぶりのUPです。
7月分はまとめてUPします。


◆2012.7.10◆
☆実習について
 7.2、7.9と2回にわたり、Gram染色の実習を行いました。脱色の加減が難しいですね。プロは、標本の鮮度、濃度、その日の環境等によって微妙な匙加減をするのですが、まあ素人にはなかなか…です。
 でも、4人とも非常に手馴れてきました。カンペーなしですいすい出来るようになりました。染め上がりも上々です。ぜひ、実践の場でskillを磨いてください。
 研修にご協力くださった細菌検査室技師の皆様、ありがとうございました。

☆本日のカンファレンス
ーGram染色所見から、治療方針を決めよう!ー
Case1:喀痰のGram染色でGPCが認められた、COPDでHOTを導入している女性患者
Case2:発熱し、喀痰のGram染色で多菌種が認められた男性患者
Case3:急な意識レベルの低下をきたし、髄液にGPCを認めた女性患者
Case4:急激な発熱で入院し、2時間後に死亡した男性患者(血液中にGPRを認めた)

☆本日の参考書
感染症ケースファイル 医学書院
熱病The Sanford Guide To Antimicrobial Therapy 2012
JAID/JSC 感染症治療ガイド 2011
京都大学医学部附属病院 市中肺炎・院内肺炎治療マニュアル


◆2012.7.24◆
R-CPC(検査データから患者の病態を考える、臨床推論能力を涵養するトレーニング法の一つ)を実施しました。
☆症例1:出産3日目に、高熱、意識障害、水様下痢で救急搬入された28歳の女性。
 白血球数  22,400
 CRP        3.3 mg/dL
 血清総蛋白 4.1 g/dL
 尿酸    8.9 mg/dL
 BUN        19.7 mg/dL
 Cr          0.5 mg/dL
 T.Cho        78 mg/dL
医師の判断力、決断力が問われる患者さんです。

◆症例2:原因不明のCK異常高値を呈する60歳代の男性
 つい最近、外来患者さんの異常値チェック(臨床検査医としての業務の一つ)でpick upした患者さんです。

◆研修医へのプレゼント
 ○○○機能亢進症・低下症
 臨床検査のガイドラインLJSLM2009 p.253-256



◆2012.7.31◆
院内感染(病院内感染)対策の要は、まずは"Standard Precaution"
更に、病原微生物の特性に応じた追加の対策です。

今回は、当院ICN(感染対策の専門看護師)の指導による、「接触感染を予防するために」を体験しました。
擦式アルコールを用いた手指消毒
手袋の着脱
袖なしエプロンの着脱
袖つきエプロンの着脱
エプロンの適正な処分法
……皆さんは、「正しく」できますか?

◆研修医の感想
手袋やエプロンの着脱は、学生のときにしっかりやっていた訳ではないので、初めはちゃんとできませんでした。
教えてもらって良かったです!研修医A